ここではVBAで文字を表示する方法を紹介していくよ。
ここでは、エクセル(Excel)VBAでプログラムで文字を表示するマクロの代表的な方法を紹介していきます。文字を表示する手段は3つですが、それぞれの目的に応じて使いわけることになります。
会社や職場でエクセルを使っている人にとって、セルに文字を入力することが代表的なものですが、マクロを開発する人にとっては、それ以外の2つの方法で文字を表示する方法もよく使うものになってきます。
それぞれの方法を個別に紹介していきますので、これからのマクロ開発に役立てて下さい。
この記事は、エクセルVBAで文字の表示や、ユーザー向けのメッセージを表示するプログラムを解説しています。エクセルVBAでプログラミングをはじめるためには、エクセルの設定変更をする必要があります。
設定の変更がまだの場合は、こちらの手順で設定変更を実行してください。
【結論】エクセルVBAで文字を表示するマクロの作り方は3つ
VBAをつかって文字を表示する3つの方法は以下のとおりです。
VBAで文字を表示するマクロの作り方|Debug.Print
1つ目は、Debug.Print(デバッグプリント)というコード(命令文)を使う方法です。
Debug.Printは、ユーザーから見える表示ではなく、VBAの開発画面(VBE)にある、イミディエイトウィンドウに文字を表示するコード(命令文)となります。
Debug.Printは、プログラムを作る人側でテストなどをする時に使用し、意図した値や、文字列が取得できているかの確認や変数に代入されている値の検証などの目的に使います。
実際にVBEにDebug.Printを書き込んで動作を確認してみます。
VBAで文字を表示するマクロの作り方|Msgbox
2つ目は、Msgbox(メッセージボックス)というコード(命令文)を使う方法です。
こちらは、マクロのユーザーに対する視覚的な通知などによく使います。
目にみえる表示なので、案内や通知・警告の他、Yes/Noや、Ok/Cancelなどの選択肢を指定することもできます。
具体的な例として、以下のような表示をするときに使います。
〇〇の処理を開始します。よろしいですか? Yes/No
処理中です。完了メッセージが表示されるまでしばらくお待ちください。 ok
実際にVBEにMsgboxを書き込んで動作を確認してみます。
VBAで文字を表示するマクロの作り方|セルに値を入力する
3つ目は、エクセルのワークシートに文字を入力する方法です。
マクロを使用しない人の手でセルに文字を入力することと同じですが、VBAでマクロを作ってしまえば、何百や何千のセルに対して値を入力することも数秒から数分程で処理できます。
詳しいコード(命令文)の書きかたは後ほど紹介しますが、RangeオブジェクトのRange、Cellsを使うことで、エクセルのワークシート上にあるセルに文字や数値などの値を書きこむ方法となります。
単純に文字を表示すると言っても、利用方法で使い分けようね。
それでは、それぞれの文字を表示するマクロの使いかたについて詳しく説明していきます。
この記事は、VBA初心者でこれからマクロの作り方をおぼえたい人におすすめです。
冒頭で書いたとおり、エクセルVBAで文字を表示する方法は大きく3つあります。
ここからは、それぞれの特徴や方法を紹介していきますので、目的とするマクロの作り方を参考にしてください。
Debug.Print(デバッグプリント)で文字を出力する
コード(命令文)書き方は以下のとおり
Debug.Print [outputlist ]
VBEのイミディエイトウィンドウに文字を表示するためのVBAコード(命令文)です。
DebugオブジェクトのPrintメソッドというものをつかっており、引数であるoutputlistには、文字や数値などの表示したい任意の値を指定します。
また、変数と呼ばれる値を代入した箱を指定すると変数に代入された値を表示します。
いくつかのサンプルコードをつかって動作を確認してみます。
デバッグプリントを実行するためのサンプルコード
入力コード
Sub test()
'SubとEnd Subの間にコードを書きます。
'数値の場合の書きかた
Debug.Print 1
'文字列の場合の書きかた
Debug.Print "デバッグプリントでピカピカピカチュウ"
'日付の場合の書きかた
Debug.Print #1/1/2023#
'真偽の場合の書きかた
Debug.Print True
Debug.Print False
'数式の場合の書きかた
Debug.Print 1 + 10
Debug.Print 10 * 2
Debug.Print "これ" + "と" + "それ"
'複数の場合の書きかた
Debug.Print 1; 2; 3; 4; 5; "いちにさんしご"
End Sub
文字列はダブルクォーテーション(“)、日付はシャープ(#)で囲みましょう。
日付は月、日、年の順番で書きます。また、セミコロン(;)で値を区切ることで複数の値を表示できます。
コメントアウトについて
文の先頭に ‘ がついている行はコメントアウトと呼ばれるもので、コード(命令文)として認識されません。プログラムの説明や補足などをメモとして残しておくときなどに使います。
先頭に ‘ がついている行は、VBAのコードとして扱われないよ。
コメントアウトに方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。複数行分をまとめて設定したり、ショートカットキーを設定して切り替える方法も紹介しているのでこの機能をより効率よく使っていきたい人はこちらの記事がおすすめです。
コード(命令文)の入力が完了したらマクロを実行します。
マクロの実行方法は、VBEの画面上部の” ▶ “をクリックするか、またはショートカットキーの F5 (パソコンの機種によっては、Fnキーを押しながら)を押します。くわしくは以前の記事を参考にしてください。
デバッグプリントを実行するためのサンプルコードの実行結果
イミディエイトウィンドウの実行結果が以下となります。
1
デバッグプリントでピカピカピカチュウ
2023/01/01
True
False
11
20
これとそれ
1 2 3 4 5 いちにさんしご
数式を指定した場合は、計算結果を表示します。また、文字列を” + “でつないだ書きかたをしたときは、文字列を結合したものがイミディエイトウィンドウに表示されます。
Debug.Print(デバッグプリント)は、イミディエイトウィンドウに結果を表示します。
ユーザーには見えない結果となることから、サンプルコードのように、数字や文字列を直接指定するケースはほとんどありません。
Debug.Print(デバッグプリント)は、主に『変数』に代入された値を確認する上で使うことが多いです。大規模なプログラムであったり、条件分岐により結果が変わるものや、繰り返し処理を実行するマクロなどでは変数に代入された値が状況によって更新されるため、意図した値が変数に代入されているかの確認方法として使います。
デバッグプリントは、マクロ開発者に便利だね。
MsgBox関数で文字を出力する
メッセージボックスを表示するコード(命令文)書き方は以下のとおり
メッセージボックスは、MsgBox関数に引数を指定することで引数の数値や文字列を表示します。
MsgBox (prompt, [ buttons, ] [ title, ] [ helpfile, context ])
引数のpromptは、必須で指定します。それ以外の引数は省略可能となります。
引数 | 必須/省略可 | 説明 |
---|---|---|
prompt | 必須 | メッセージボックスに表示する文字列です。 使用する文字の幅により、最大で約 1024文字使用できます。 改行コードを用いることで改行してメッセージボックスを表示することもできます。 |
buttons | 可 | メッセージボックスのボタンの数と種類を指定する値です。使用するアイコンのスタイル、既定のボタンの ID、およびメッセージ ボックスのモダリティの組み合わせを表す数値です。 省略された場合、buttons の既定値は0です。 |
title | 可 | メッセージボックスのタイトルとして表示される文字列です。 title が省略された場合、タイトル バーにはアプリケーション名が表示されます。 |
それぞれの引数で、以下の部分が指定できます。
MsgBox “こんにちは!ここはコダマのもりブログです。”, vbInformation, “ようこそコダマのもりブログへ”
引数 buttons には以下の引数が指定できます。
buttons の引数はグループごとに指定することで組み合わることができます。
種類 | 値 | 説明 |
---|---|---|
vbOKOnly | 0 | OK ボタンのみ |
vbOKCancel | 1 | OK ボタンと キャンセル ボタン |
vbAbortRetryIgnore | 2 | 中止 、 再試行 、 無視 の各ボタン |
vbYesNoCancel | 3 | はい 、 いいえ 、 キャンセル の各ボタン |
vbYesNo | 4 | はい ボタンと いいえ ボタン |
vbRetryCancel | 5 | 再試行 ボタンと キャンセル ボタン |
種類 | 値 | 説明 |
---|---|---|
vbCritical | 16 | [重大なメッセージ] アイコン |
vbQuestion | 32 | [警告クエリ] アイコン |
vbExclamation | 48 | [警告メッセージ] アイコン |
vbInformation | 64 | [情報メッセージ] アイコン |
種類 | 値 | 説明 |
---|---|---|
vbDefaultButton1 | 0 | 1番目のボタンが初期位置となる |
vbDefaultButton2 | 256 | 2番目のボタンが初期位置となる |
vbDefaultButton3 | 512 | 3番目のボタンが初期位置となる |
buttons の引数は種類もしくは、値を組み合わせて指定ができるよ。
MsgBox関数で文字を表示するサンプルコード
メッセージボックスを表示するコードを「標準モジュール」に入力します。
入力コード
Sub メッセージボックステスト()
'[A]引数prompt以外の指定なし。
MsgBox "こんにちは!ここはコダマのもりブログです。"
'[B]引数 prompt と buttons と titleの指定あり。
MsgBox "こんにちは!ここはコダマのもりブログです。", vbInformation, "ようこそコダマのもりブログへ"
'[C]引数 prompt と buttons と titleの指定ありで、buttonsの引数を複数組み合わせ(値で指定)。
MsgBox "こんにちは!ここはコダマのもりブログです。", 2 + 32 + 256, "ようこそコダマのもりブログへ"
'[D]引数 prompt と buttons と titleの指定ありで、buttonsの引数を複数組み合わせ(種類で指定)。
MsgBox "こんにちは!ここはコダマのもりブログです。", vbYesNoCancel + vbCritical + vbDefaultButton1, "ようこそコダマのもりブログへ"
End Sub
4種類のMsgBoxでそれぞれの実行結果をみていくよ。
MsgBox関数で文字を表示するサンプルコードの実行結果
メッセージボックスを表示することができました。
こちらのメッセージボックスは、prompt以外の引数を指定していません。そのため、titleはアプリケーション名である[ Microsoft Excel ]が表示され、buttonsも初期値である[ OK ]ボタンのみになります。
prompt以外の引数は指定してないタイプだね。
こちらのメッセージボックスは、prompt・title・buttonsの引数を指定しています。titleに指定の文字列が表示され、vbInformationの指定によって情報アイコンが表示されました。
buttonの引数で「vbInformation」だけを指定したタイプだね。
こちらのメッセージボックスは、prompt・title・buttonsの引数を指定しています。buttonsは引数を組み合わせて指定することでボタンの数と種類・アイコンの種類・初期選択ボタンを指定しています。
buttonsの引数を数値の組みあわせで指定したタイプだね。
こちらのメッセージボックスは、prompt・title・buttonsの引数を指定しています。buttonsは引数を組み合わせて指定することでボタンの数と種類・アイコンの種類・初期選択ボタンを指定しています。
buttonsの引数を種類の組みあわせで指定したタイプだね。
メッセージボックスは、マクロを使っている人とお話するために使えるね。マクロの操作方法や、確認画面、注意事項などに使えるよ。
ワークシートセルに値(文字や数値)を入力する
ワークシートのセルに文字や数値を入力するコード(命令文)の書き方は以下のとおり、RangeまたはCellsを使って書きます。
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Range("A1") = 1
または
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Cells(1, 1) = 1
※イコールの右辺には、入力した数値や文字列を指定してください。
RangeでCellsでは、セルの場所を指定する書きかたが異なる点に注意です。
ワークシートの最も左かつ、最も上のセルを指定するとき、Rangeでは “A1” セルと表現し、Cellsでは 1, 1 セルと表現します。Rangeでは列名、行数の順で書いているところを、Cellsでは行数、列数の書きかたの順が逆転している点に注意が必要です。
また、同じ結果となるコード(命令文)として以下のような書き方もあります。
ActiveSheet.Range(“A1”) = 1
ActiveSheet.Cells(1, 1) = 1
上記の指定では、現在開いている(アクティブ)なシートのA1セルが対象となります。注意しておかなければならないのは、入力する対象のシートが相対的に変わってしまう点です。絶対的な指定の場合はこちらのコード(命令文)で書くことは避けた方が良いでしょう。
Sheet1.Cells(1, 1) = 1
こちらは先ほどとは違い、シートオブジェクト名で入力する対象のシートを指定しているため、絶対的な指定になります。
セルの指定方法にはRangeとCellsがあるけど、どうやって使い分けたらいいの?
Tips
RangeとCellsをどう使い分ければいいのかが知りたい方は以下の記事が参考になります。
ワークシートのセルに値(文字や数値)を入力するためのサンプルコード
入力コード
ワークシートセルに文字を表示するコードを標準モジュールに入力してみましょう。
Sub セルに数字や文字を入力する()
'アクティブ(開いている)シートのA1セルに文字を入力する(Range)
ActiveSheet.Range("A1") = "あ"
'アクティブ(開いている)シートのA2セルに文字を入力する(Cells)
ActiveSheet.Cells(2, 1) = "い"
'シートオブジェクトで指定したシートのA3セルに文字を入力する
Sheet5.Cells(3, 1) = "う"
'シート名で指定したシシートのA4セルに文字を入力する(Range)
ThisWorkbook.Worksheets("書きたいシート").Range("A4") = "え"
'シート名で指定したシシートのA5セルに文字を入力する(Cells)
ThisWorkbook.Worksheets("書きたいシート").Cells(5, 1) = "お"
End Sub
書きかたは色々だけど、すべてセルに文字を入力するコードだよ。
ワークシートのセルに値(文字や数値)を入力するための実行結果
指定したセルに文字を書き込むことができました。
ワークシートのセル範囲に値(文字や数値)を入力するためのサンプルコード
こんどはセルの範囲を指定して、文字を入力するコード(命令文)のマクロです。
Sub セル範囲に数字や文字を入力する()
'シートオブジェクトで指定したシートのセル範囲を指定して文字入力をする
Sheet5.Range("C1:G1") = 1
Sheet5.Range(Cells(2, 3), Cells(2, 7)) = 10 'C2からG2セル
'シート名で指定したシシートのセル範囲を指定して文字入力をする
ThisWorkbook.Worksheets("書きたいシート").Range("C3:G3") = 100
ThisWorkbook.Worksheets("書きたいシート").Range(Cells(4, 3), Cells(4, 7)) = 1000 'C4からG4セル
'シート名で指定したシシートのセル範囲を指定して文字入力をする(飛び地の指定)
Sheet5.Range("C5:G5,J5") = 10000
ThisWorkbook.Worksheets("書きたいシート").Range("C6:G6,J6:M6") = 100000
End Sub
ひとつのセルだけでなく、セルの範囲を指定して文字を書きこめるよ。
ワークシートのセル範囲に値(文字や数値)を入力するための実行結果
セル範囲を指定することで、まとめて文字を入力することができるね。
「エクセルVBAで文字を表示する方法」まとめ
本記事では、VBAで文字を出力する代表的な方法3つを紹介しました。
今回の記事を以下にまとめます。
- 開発者・プログラムを作成している人向けのテストなどでは、Debug.Printを使う
- アプリや機能を利用するユーザーへの通知や選択肢などではMsgBoxを使う
メッセージボックスはprompt・title・buttonsの引数で色々なタイプの表示ができる。 - ワークシートのセルに文字を入力するときはRangeやCellsを使う
書きこみ先となるセルの指定では、相対的な指定か絶対的な指定かを使い分ける。
セル範囲の指定では、必ずしもつながった範囲だけでなく、飛び地でも指定ができる。
おつかれさま。
これで文字や数字が表示できるマクロができるね。
ここまで文字の表示や入力方法を説明しましたが、ここで紹介した方法は、すべてリテラル(直値)を指定する方法となります。
実務上で作業では、恐らく絶対的で決まった値を入力する機会よりも、計算の結果であったり、何らかの処理の結果の文字列だったりを入力する機会が圧倒的に多いと考えます。エクセルVBAやその他のプログラミング言語は『 変数 』と呼ばれるものをつかうことが必須となります。
今回紹介した文字の表示や入力の内容をふまえつつ、変数があつかえるところまでいくとVBAのスキルとしてもステップアップしていると感じられると思います。
変数の詳しい説明や書きかたについては、こちらの記事で紹介していますので、ぜひこちらの記事もご覧になってください。
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